なぜ泣いているの?
お願い泣かないで
私はあなたのそばにいるから
+ + + + +
ふと私のほほに一滴の水滴が落ちてきた。
そっと上を見上げると、最愛の人の顔があった。
でも彼の瞳には眠っている私が映っていて、
私の姿は映っていなかった。
その瞬間、今自分の置かれている状態を把握した。
もう私は“あの世”の人間なのだと。
「何で・・・何で先に逝くんだよ!!!」
彼は私の脱殻を見つめ、泣き崩れながら叫んだ。
私はそんな彼の隣に行き、そっと寄り添った。
私だって、もっとあなたを感じていきたかったよ。
せっかくあなたに出会えて、本当に幸せだったのに。
でもね、私はあなたが今でも好きだし、
あなたのためなら何だってできるの。
だから、ずっとあなたを見守っているから。
あなたに他の人ができてもずっとそばで見守っているから!!!
この思いをどうしても届けたくて、
私はあなたに向かって叫び続けた。
何回叫んだかもわからなくなってきたある時、奇跡が起きた。
「まどか・・・?」
そう呟きながら彼が私の方を向いた。
その瞳には景色しか映っていなかったけど、
私が映っているように感じた。
「大丈夫。ずっと、ずっとそばにいるから」
そう彼に告げほほ笑むと、彼もほほ笑んでくれた。
その瞬間、私の体は光になった。
ずっとずっとあなたのそばにいて
ずっとずっとあなたを見守っているから。
もう泣かないで。
どうかあなたが幸せでありますようにー・・・
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