第2話



ドアを開けると
そこには美しい少女が座っていた。
そして少女はこちらを向き微笑んだ。


「はじめまして、こんにちわ」


少女のあどけない声が
室内に響いた。





+ + + + +





ウィルの部屋から出たルイは次にある部屋を訪れていた。

ルイがノックをすると
部屋から「どうぞ」という凛とした声が聴こえたので
「失礼致します」といってドアを開けると、
子どもでも大人でもないくらいの女がいすに腰をかけていた。


「今後の外出の際、姫様の護衛につくことになりました、
 ルイ・ジョーンズであります。よろしくお願い致します」


その部屋にいた女とはフィスト国王女リースである。
彼女はまだあどけない顔立ちだが、
着実に大人の女性へと成長していた。


「そんな畏まらないでほしいわ!!」

「はぁ・・・」


外見は成長しているようだが
中身は子どものころと変わっていなかった。
ルイは幼いころからリースを知っていたし
リースもまたルイを知っていた。


「久しぶりだねアリア姉さん!!」

「リース、その名前で呼ぶのはやめなさい。
 男の姿だし、仮にも職務中だ」

「口調も男みたいになっちゃって。
 せっかくの美人が台無しだよ?」


リースはルイの事をルイが軍人になる前から知っている。

だからルイが元々女である事も知っているのだ。


「この格好で女言葉はありえないだろ?
 それはいいとしてさっきも言った通り・・・」

「私の護衛でしょう?一度言えばわかります。
 ルイ様に守られるなら安心して外出できますわね。
 ・・・どう?できるでしょう?」

「とんだ姫君だ」


そう言ってルイは苦笑した。
するとそこにドアをノックする音が聴こえた。
そして男の声が聞こえてきた。


「失礼致します。
 こちらに第一部隊ルイ・ジョーンズ副隊長はおられませんでしょうか?」

「ここにいらっしゃいますが、どうなされました?」

「第一部隊隊長がお呼びになっておられます」

「隊長が、か?」

「はい」

「そうか、わかった。すぐに向かいますとお伝えしてくれ」

「わかりました」


男が去っていく音がし、
ルイはリースの方を向いた。


「そういうことだ。またくるよ」

「えぇ、ルイ様でもアリア姉さんでも大歓迎よ」


そう言ってリースは微笑む。
その笑みはルイにとって幼いころのリースを思い出させた。
そしてルイも微笑んだ。


「ありがとう」


そう言ってルイは部屋を後にし、ウィルの部屋へ向かった。





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