03.最初は憧れだった



物心付いたときには翔兄といつも一緒だった。

翔兄は誰にでも優しくていつも誰かの中心で、
私はそんなを翔兄を見て幼いながらに憧れを持ち、また、
翔兄はいつか私を一人ぼっちにしちゃうんじゃないかって思った。

だから一度だけ翔兄に理不尽な言い掛かりをつけて
翔兄と喧嘩して家を飛び出した。

その頃まだ幼くて無知だった私は
案の定道に迷って迷子になり泣きながら歩いていた。

だんだん日も暮れだした頃、
後ろから誰かに呼ばれ振り返ると、息を切らした翔兄が立っていた。
翔兄は泣きじゃくった私を見て優しく抱きしめてくれた。
翔兄のおかげで私の不安は一気に飛んだんだ。
そして私の翔兄に対する憧れは好きという感情になっていった。


最初はただあなたに憧れていた。
でも今は憧れではなくあなたのことが好きなんです。

いつかこの想いを伝えられる時がきますようにー・・・。





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