私とあなたの年の差は5歳。
あなたにとって私は妹みたいなものなのでしょう?
「遥!」
私を呼ぶ声が聞こえた。
その声の持ち主が誰なのか振り返らなくてもわかる。
そっと声のしたほうを向いた。
するとそこには私が予測していた人がいた。
「翔兄?」
「お前こんなとこで何してるんだ?」
「ちょっと本を買いに・・・」
「夜遅くに歩いてたら危ないだろ!」
「まだ8時前だよ?」
「それでも危ない!」
翔兄は私を心配してくれる。
でもそれは妹を心配するようなものなんでしょう?
「夜出るときは俺に連絡しろ。迎えに行ってやる」
「でも悪いよ・・・」
「今更そんな気使わなくていい」
私と翔兄は小さい頃からの付き合い。
家が隣で家族ぐるみでの仲が良い。
でも翔兄は大学生になり家を出た。
そんな翔兄にいちいち帰らせるなんて迷惑かけられない。
「でも・・・!!」
「俺が良いって言ってるんだからいいんだよ」
なんでそんなに優しくするの?
小さい頃から私に優しくしてくれた。
気づいたらそんな翔兄に恋心を抱いていた。
でも翔兄が優しくしてくれるのは 私が妹みたいな存在だからでしょう?
だから私は諦めなくてはならない。
なのに優しくされればされるほど、好きになっていく。
この年の差がなければ あなたは私を妹ではなく女として見てくれますか?
そう心の中で投げかけた。
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